南アフリカの教育現場と、凡人の私がボランティアに参加して今思っていること。
今行っているボランティアについて、ブログに書こうかしばらく悩んでいたのですが書くことにしました。
というのも、すごく意義のある活動だと感じている一方で、まだ参加したての私が伝えられることはすごく少なくて、デリケートな問題も含んでいるからこそ誤解を生みたくないという気持ちが少なからずあったのです。
だけど、ちゃんと関わりたいという意思も込めて、今日はなるべく言葉を選んで書きたいなあと思います。
なぜ南アフリカの子どもたちに図書館車が必要なのか?
今私は、南アフリカの子どもたちのために図書館車を日本から寄付する団体に、ボランティアとして参加させて頂いています。
いくつかの理由が織り混ざって、この図書館車というものが非常に重要な教育を助ける手段として南アフリカでは役立てられています。
(1)母語ではない、英語で学ぶ弊害を克服できるように。
南アフリカには11の公用語があります。しかし、実質的な公用語は英語で、そうであるにも関わらず英語が母語である人は9.6%程度です。
学校では小学校3年生にあたる学年から授業が全て英語で行われるようになります。しかし母語ではない言葉で授業を理解するのは非常に難しく、南ア全土の学校で行われる統一テストにおいても学年が上がるほど著しく点数が低くなってしまうという現状があります。
文章を読み、理解し、問題を解決するという一連のプロセスを実行する力を高めるために、1つのツールとして本が非常に重要なんです。
(2)南アの学校には図書館がある方が珍しい。触れる機会を、まず作らなければならない。
じゃあ本たくさん読まなきゃね!と言っても、そもそも南アの公立の学校には図書館がある方が珍しいというのが現状なのだそうです。なんと、約8%ほどの学校にしか図書館がありません。
かと言って元々口承言語の文化圏ですし、正直なところ本を読む習慣もない。家にも本があることは珍しい。となると、そもそも本に触れる機会というのが全然ないんです。
そこで役立っているのが図書館車というわけです。
先生自身も、本を読む習慣があるひとは少ないようです。そもそも、アパルトヘイト時代に教育を受けたやや年配以上の先生方は、教育の内容も大きな政治的な区別の対象にされていたため、満足な教育を受けられていないというケースも少なくないそうです。(もちろん当時の基準をクリアして先生にはなっているけれど。)
本というツールを、先生に活用してもらうという点でも大きな役割を果たしています。
(3)母語の継承という観点においても、重要な役割。
英語での授業の弊害は、英語の理解力だけでなく母語の理解力もどっちつかずの状態にしてしまう危険性を孕んでいます。
そこで図書館車には、彼らの母語の本も積載されています。もともと文字を持たない言語ですから、書籍数は限られてしまうのでこのプロジェクトを通じて作られた本もあります。
彼ら自身の生まれ持った文化や言葉も大切にしてもらえるように、サポートするという点でも一躍を担っています。
小学校に訪問してみて
先日、ボランティアとして活動しはじめてはじめて学校に訪問しました。
都市部やその近郊の学校では人口増加に伴い生徒数が爆発的に増えてしまっている地区もあるらしく、立派な校舎の学校もあれば、コンテナやプレハブの校舎をあてがっているケースも多いそうです。
1クラスの人数は多いところで50人近くになってしまっていて、生徒に対して先生の数が足りていないという点も1つの課題のように思えました。
決して裕福ではない地域だけど、子どもたちは底抜けに明るい!というのが印象的でした。(ちょっとだけ、心が救われた気持ちです。)彼らが未来でも明るく笑っていられるようにするのが「教育」。まだまだ今は、国や、制度や、先生たちが変わっていかないとならないところも多いです。
そしてね、ほんと子どもたちが可愛すぎて、泣きそうになってしまったよ。
「どんな本が面白かった?」って話しかけてみたら、「冒険のストーリーが面白かったよ」とか、「恐竜の本が面白かったよ」とか、いろいろみんな話してくれました。
子どもには、好奇心があります。素直に何かを「面白い」と思える心があります。
そう思うと、やっぱり本は本当に意義のあるツールです。
生まれた国や地域、民族や宗教、家庭環境などを超えて、誰もが教育を受けて「自分で考える力・生きる力」を身につけることができるようになったらいいのにな。
小さいことでもいいから、そんな世の中になるように私の時間と数少ないできることを提供しようと思って、今活動に参加しています。
凡人の私が、ボランティアに参加して今思っていること。
私は特別な何かができるわけではなく。
語学に長けているわけでもなく。
本当はボランティアさせてください!と、連絡するかも迷いました。
けど、3年間という限られた時間の中で出来る限りこうした活動に関わりたいという気持ちもあって、ややフライング気味で連絡をして今に至りました。
本当の本当に、出来ることは限られています。
事務的なお仕事の手伝いや、webの更新など基本的には代わりのきく仕事です。そうしたことしかできない状態でも、受け入れてくれたみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです!
結果的には、世代の違う方たちとお仕事をすることになり、HTMLくらいならちょっとはわかったり、比較的webに明るいという点で役に立てるということがわかり、意外なことが価値になる可能性があるという点は偶然ですが発見となりました。そこはちゃんと貢献しようということと、それ以外の点においても自分に出来ることをコツコツと続けたいと思っています。
また、コツコツと続けていくなかで気がつくことや新しいアイデアがあれば、ちゃんと伝えて、時には形にしていきたいと思っています。
私自身は、結構本を読んで人生が面白くなったなと感じる原体験もあって、活動の主旨にすごく賛同しているということも活動にジョインした1つの要因。子どもたちのために、少しでも、ほんの少しでもいいから役に立てたらなと思います。
そんなわけで、凡人は凡人なりにですが、日々の時間を少しずつ誰かのために使おうと思っているのでした。普通な私たちにできることは、意外とたくさんあると私は信じて行動し続けます。
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