アフリカ本感想(6)『手でふれた南アフリカ』
久々のアフリカ本の感想ブログです^^
(一時帰国後、読書なかなかできずにいました・・・反省)
今回はこちらです!
1993年に出版された本なので、もう20年も前になりますが・・・
植田智加子さんという鍼灸師の方が来日したマンデラさんの鍼灸を担当したことをきっかけに、南アフリカに呼ばれるようにしてやってきた際の滞在エッセイです。
この本の舞台は、1990年から1991年というマンデラさんが牢獄からでて、新しい政府ができるに至るまでにさまざまな調整に活躍した、南アフリカの歴史を変える重要な時期。
筆者が鍼灸を通じて、アパルトヘイトに虐げられてきたひとたちとコミュニケーションを取り、そのころのの南アフリカの雰囲気がまさに“手でふれる”ように感じられる本で、すごくすごく良かったです。
アパルトヘイト時代の拷問を受けたひとのカラダから、鍼灸師だから読み取れてしまうその残虐さに気付かされた瞬間。
もしくは、当時の南アへの旅行者や南アに住む白人との関わりで感じる、黒人やカラードの置かれる不条理な状況への葛藤。
こうした部分は、全体的にやわらかな文体 で書かれつつもあれから20年も経った今ではダイレクトに感じられないようなことが多く書かれている、しかも同じ日本人の立場から、という点で改めて考えさせられることの多い本でした。
また、この本を読んで改めて思ったのは…
今の私には、そう簡単にアパルトヘイトのことを口にする勇気はない。ということ。
NPOの活動の関係や、語学学校のディスカッションで教育の話になると自分の意見を述べる中で触れることはあります。
ただ、人種問わずどのような政治思想を持っているかわからない。また、アパルトヘイト時代にどのような経験をしているかもわからない。
この話に触れられるほど、私の知識もなければ、受け止めるだけの度量もないのです・・・。
それほど、アパルトヘイトが残虐的なものだったと、色んなことを見聞きすればするほど感じずにはいられません。
ただし、だからと言って無関心になるわけではありません。
私なりに少しずつ理解を深めながら色んな人と繋がったり、ボランティアなどでほんとうに少しでも、小さくても、ちゃんとこの問題と私の接点は持っていようと思うのです。
こういうのはエゴかもしれないけど、エゴでもいいと思ってます(笑)
政治に疎い私でも今の政権の酷さや、これからの南アフリカへの不安を肌で感じる毎日です。ここで暇しているくらいなら、1mmでも役に立てるようにちょっとは時間を捧げたいと思います。やらぬ善より、やる偽善派です。
そんなわけで本の感想から、自分の思っていることの吐露になってしまいましたが(笑)この本は読み物としても純粋にオススメです!
人との関わり方や、人にとっての食事の大切さ、においを感じるような文章は、私の場合大好きなよしもとばななさんだったり、映画で言ったら「かもめ食堂」とかの荻上直子さんに通ずる空気感があって、この本に愛着が湧く要素としてすごーくよかったです^^
同著者の2010年に出版された新しいエッセイもあるようなので、次回はこちらを読もうかと思います!!
ではでは^^
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