アフリカ本感想(7)『池上彰のアフリカビジネス入門』
語学学校が無いと、時間もあることはもちろん、脳みそが消耗しないので読書がすんごい捗ります・・・
年末年始は1日1冊ペースでせっかくなので、溜め込んでいた本たちを消化するタイミングということで本日もアフリカ本ネタ(^^)
今回の本はこちらです!
『池上彰のアフリカビジネス入門』
2年前の本なので、さらに状況が変化している部分はあるだろうということは考慮しつつですが、アフリカ初心者の私にもわかりやすい1冊でした!
アフリカで今行われている開発援助から実際に商売を行っている日本企業に至るまで、アフリカマーケットの現状を垣間見ることができます^^
アフリカはインフラ整備が急務の状況が続いている
本著では、単に現在行われているアフリカビジネスの事例を紹介するのではなく、その背景にあるアフリカの経済に関連する問題とその支援策について触れていることで、今のアフリカの現状を改めて理解することに繋がりました。
特に大きく取り上げているのが、「広域経済回廊」というアフリカ大陸の道路の整備事業です。
南アフリカの都市圏にいると実感しづらいことですが、アフリカの多くの国では道路の整備はまだまだの状況で、尚且つ内陸国が16カ国もあるのだそうです。
内陸国においては、消費が伸びているといっても輸送コストはハンパではないし、潜在的なニーズを開拓しきれていない状況も考えられます。
また、内陸国からの輸出も海岸線を持つ第三国を経由しなければいけないので、道路の整備なくして大きな経済的発展はないということなのです。
ちなみに90年代に大きな成長を遂げた東南アジアは、ラオスを除いて海岸線を有しているのだそうです。たしかに言われてみれば。
こうした道路整備を進めつつ、国境地帯での通関をよりスムーズに行うための施策を支援することで根本的な部分を改善しようというわけです。
本の中では、具体的な支援策の話、現場のニーズや現状について池上さんの現地取材やJICAの方のインタビューを通じて知ることができます。
アフリカ開発事情に詳しくなくても、これまでの援助の経緯やTICADの内容などにも触れられていて読みやすいです。
その他、農業に関するインフラなども大きく触れられてました。
アフリカ、まだまだこれからですね。
サラヤのアフリカマーケットの切り開き方が面白い!
この本は思ったより開発援助の話が多かったですが、実際の日本企業のアフリカ戦略の事例として紹介されていたサラヤの話が面白かったです。
石鹸や洗剤のメーカーとして有名なサラヤですが、アフリカ進出はCSRでの活動が先立ったそうなのです。
2011年にウガンダに現地法人を立ち上げる1年前(2010年)から「SARAYA100万人の手洗いプロジェクト」という活動をユニセフ支援としてはじめたのだそうです。
これは創業60年の記念事業としてユニセフになにかできないかと相談したのがきっかけではじまった活動で、まだまだ衛生的な環境と習慣が未発達なアフリカで「手洗い」という日本の習慣を広めるということになったのだそうです。
結果的に医療機関での手指消毒の普及率の低さという課題だけでなく、ウガンダ産のサトウキビを原料にしたアルコール消毒液が作れるじゃないか!というビジネスチャンスに気がつき、事業化したという流れなのだそうです。
ただの主婦が言ったら説得力なんも無いけど(笑)、これって他の企業も見習えるポイントなのかもしれないなーと思いました。
消費が拡大しているアフリカ大陸と言っても中長期的な投資が必要な段階。けど目先の利益は出さなければいけないという当然の状況の中で、やむを得ずリーマンショックの際には一時撤退した日系企業は少なくなかったそうです。
しかし、その間にリーマンショックのあおりをあまり受けなかった中国やインドに市場を席巻されてしまった側面もあり、やっぱりその国に関わり続け、耕し続け、市場を作って行くということの重要性も顕在化したのではないでしょうか。
もちろんCSRなんて、儲かってなかったらできないけれど、マーケット開発に役立つという視点は本当に新鮮でした!
池上さん的なわかりやすい本でしたが、結構お堅い話が多かったので、現場のリアリティなどを感じるには下記のような本とかの方が、具体的なトラブルの話やマーケティング現場の話が出ていて面白いかもしれません。
そんなわけで読書タイムはまだまだ続くよ〜
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